関西じつわ表紙イラスト集 十三 ホーム
お金持ちの一つのパターンとして「大阪で仕事し、京都で遊び、神戸で住む」がある。それならば、京都で遊んだ後、十三で乗り換えて神戸に向かう人もいるだろう。
だが、阪急十三の神戸線ホームで、それらしき金持ちを見かけたことがない。十三乗り換え説は、貧乏人の発想なのか。
僕も十三でよく乗り換えるが、降りることは希である。
ネオン街側の改札を出る。うっかりすると、商店にぶつかってしまうほど狭い。何処かJR京橋駅前と共通するような街で、休憩で寄った喫茶店も同じ時代のものだった。この時代、巨大キャバレーやナイトクラブがお城のように聳えていた。
十三の夜は、その派手なネオンにある。目もくらむばかりに明るく、ネオン焼けという言葉が文字通り成立する。
103と書いて「じゅうそう」と読ませるホテル名も、ベタな洒落がここでは似合う。