川崎エッセイ   デジカメ     HOME

 最近またデジカメを買った。それほど魅力的なデジカメがあるからだ。
 従来からあるフィルムカメラは完成の域に達しており、目新しさがないのか購買意欲が沸かない。
 中古カメラ店に行くと、歴代のカメラが並んでいる。進化の過程を見る思いだ。デジカメが今、その最中を走っており、元気な新製品が次々に出ている。
 完成された物よりも、様々な試みを凝らしている発展途上中の商品のほうが、変化があるため、買う側も選択の楽しさがある。
「どれを買っても同じですよ」ではなく、下手をすると、とんでもない物を買う危険度があるほうが、選択も真剣となる。
 デジカメはフィルムを使わない。メモリカードにデータとして保存される。そのカードは何度でも繰り返し使える。
 単純に言えば、一本のフィルムを何度も使う感じだ。一枚のカードに記録出来る枚数はフィルムの比ではない。
 当然、メモリカードはフィルムより遥かに高額だが、殆どのデジカメは付属している。
 また、バッテリーは充電式だと、買ってしまえばテレビ画面やパソコンで鑑賞する限り、維持費はかからない。
 プリントで残したければ町のカメラ屋さんでプリントしてくれるし、フォトプリンタを買えば、自宅で写真が焼ける。
 僕は30年近く前から暗室を作り、現像や引き伸ばしをしていた。
 デジカメを使うようになってから現像液や定着液や酢酸など、有害度の高い薬品類から解放されてほっとしている。
 時代には温度があり、あるジャンルや、ある行為に対しての温度が下がることがある。
 今の時代には今の温度があり、同じ事柄でも相性が違ってくる。
 今の時代を生きるには、その温度と無縁ではいられない。