川崎エッセイ 早朝営業の喫茶店 HOME
喫茶店が好きなので一日何度も行っている。さすがに同じ店には行きにくいので、ローテーションを決め、店をかえている。
起きる期間が日々違う生活なので、起きぬけ、すぐに行く喫茶店も違ってくる。
深夜に目を覚ました場合、近所の喫茶店は開いていないので、遠い場所にあるファミレスに入る。ドリンクバーというサービスがあり、セルフになるがお代わりは自由だ。深夜料金だが喫茶店よりも安い。
早朝から営業している喫茶店は有り難い。
夜明け前に起きた時など、早朝営業の喫茶店が早く開かないかと待つこともある。
喫茶文化というものがあり、それは飲み屋やスナックとは異なるノンアルコールの文化だ。
酒を飲まないので、酔った勢いでの会話はない。
僕は喫茶店へは一人で行き、一人でポツンと座り、本を読んだり文章を書いたりしている。このエッセイも実は喫茶店で書いたものだ。
どうも書斎とかアトリエとかは閉鎖的で、気が滅入るので、喫茶店で仕事をすることが多い。
座っていると自室では伝わらない情報が聞こえてくる。
常連客と店の人の話などは情報源としてはナマすぎるのだが、メディアに乗らないリアルな情報が得られる。
いつも見かけるお爺さんがおり、その店が休みなら、別の店で見かける。モーニングセットを食べ、薬を呑みながら新聞を読むのが日課のようだ。
僕と同じで、店の人とは喋らない。一人の世界を維持しているのだ。
タクシーで通うお婆さんもいる。近所に住んでいる人なのだが、歩くのが辛くなったらしい。無理をしてでも喫茶店で座りたいのだ。そこに居ることは「生きて居る」ことでもあるからだ。
赤字だと言いながらも、そういう客のため営業を続けている個人経営の喫茶店は偉い。