川崎エッセイ 絵解き世間之事情 その14 モバイル      HOME

 iモード機能の付いた携帯型電話に買い換えた。パソコンを持っていなくても、インターネットメールとやり取り可能で、縦に細長い画面ながら、インターネットができる。
 通常のパソコンの場合、ネットに接続するにはプロバイダに入り、呪文のような設定をクリアしないと、繋がらないことを思えば、iモード携帯なら、すぐに接続可能だ。誰もがコンピュータに詳しいわけではなく、操作方法をマスターしないと、使い切れないことを思えば、この簡単さは驚異と言える。
 モバイル端末を常時身につけておけるわけで、ニュースを読んだり、イベント情報を覗いたりできる。かなり昔から言われていた情報化時代のイメージを、具現化したような形である。
 この種の端末装置は、誰にでも簡単に入手でき、特別な知識がなくても使いこなせるので広い範囲で通用する。携帯型電話がここまで普及すると、実用性は非常に高くなる。
 さて、実際に使ってみると、携帯型電話単独ではパソコンのようなフルサイズのキーボードがないため、ボタンを何度も押して、目的の文字を表示させ、文節を漢字に変換することになる。これはパソコンユーザーも初心者に戻されてしまう。逆に言えば、キーボードなど知らなくても、誰でも文字が打てる。
 250文字しか送信できないが、あのボタンでは、それ以上入力する気にはならないほど、時間がかかる。
 しかし、たった一言の文字メッセージでも、相手の「念波」が小さな液晶モニターに浮かび上がるよう感じがある。
 世の中が忙しくなればなるほど、その忙しさに対応したコミュニケーション方法が生まれるのだろうか。携帯型電話で話す時間ももどかしいほど、慌ただしく暮らしている様子が、i モードメールを普及させている理由かもしれない。


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