川崎エッセイ 絵解き世間之事情 その19 接続      HOME

 電話をISDNにした。ネット接続中、電話が使えないためだ。ISDNで両方が使える。しかし「アイエスデーエヌ」という言い方がわかりにくい。
 国内でのサービスなのだから、日本語の呼び名でも良かったように思う。日本語は言葉の中に意味が含まれており、そのため言葉から受ける印象で頭の中で繋がる。
 ISDNに申し込むため、NTTに電話するが、混んでいるのか、一発では繋がらない。これは電話による各種サービスセンターも事情は同じで、何度もかけ直すことになる。それが普通になっているため、最近は覚悟している。そんなことでイライラしていたのでは、ストレスがたまる一方だ。
 二日目に数回かけ直すと、やっと繋がり、ISDNの申し込みをする。TAかルータが必要なことは、下調べしていたので、既に買っておいた。何も用意していないのなら、NTT側が用意してくれ、有料になるが、繋がるまで面倒を見てくれるようだ。
 TAはターミナルアダプタの略なのだが、ここでも新しい横文字を覚えないといけない。まあ「中継器」だと思えばよい。いちいち自分が使っている言葉に解釈し直さないと、言葉が繋がらないのだ。
 それでインターネットも電話も、ファックスも全て繋がり快適になったが、ある日、間違って中継器に突き刺していた電話線を抜いてしまった。
 その状態を一週間ほど気付かなかった。友達からケータイに連絡があり、初めてそれが分かった。
 よりよく繋がるための努力が、僕の不注意で逆の目に出たのだ。一般電話機という、一番基本的な繋がりが失われていることに気付かない怖さを体験した。
 ネットに繋がらない、パソコンの周辺機材が認識しない…等々、繋がらないことに対するストレスが多くなったように思える。


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