川崎エッセイ 絵解き世間之事情 その21 ITの波      HOME

 ある日梅田に行くと、大きなパソコンショップが開店していた。日本橋のデンデンタウンにある店と同じだ。
 梅田には売り場面積こそ小さいが、数軒パソコンショップはあるのだが、迷路のような地下街の中にあるため、非常にわかりにくい場所だった。今回の店は中央郵便局の並びにあり、しかも地上にあるため、探しやすい。
 最近、僕はパソコンショップにはいるのが趣味になっている。新しいものが好きなのだ。特にIT関係の商品は、この時代を象徴するような仕掛けがあり、商品を観察することで時代がわかるような気持ちになるからだ。
 戦国時代、堺には珍しい品々が集まっており、信長も新しい文化に触れに来ていたようだ。外国から伝わった新兵器としての鉄砲は、ゲーム「信長の野望」でもすさまじい威力を発揮する。まさに飛び道具だ。
 パソコンもその意味で、この時代の鉄砲なのかしれない。そう思うと、店内をうろうろしている僕は、何となく信長になったような気になってくる。IT文化に触れることで、時代の先端を学習する気概となる。
 パソコンがまだ一般的に普及していなかった時代は、仕事で使うのなら別だが、個人で買うような人は、マニアックな人が多かった。
 今は、初心者でも簡単に操作できるようになったとはいえ、ごく普通のお年寄りとかにとっては、得体の知れない機械と感じて当たり前だろう。
 地方公共団体がパソコンの講習会を始める時代になっている。普通の人達にも、この「鉄砲」の撃ち方を伝授しようというものだ。
 ネットに接続でき、メールの送受信ができる環境は確かに便利で、効率もよい。IT化の波が普通の人達にも押し寄せている。
 パソコンやネット接続が世間の常識になっても、一切その種のものには触れたくない人の存在もフォローしないといけないだろう。


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