目的
川崎ゆきお
元気な人間には目的があるようだ。
その目的のため、あらゆることをやる。だから色々とやるネタが出来るため忙しい。それでテンポも早くなり、元気そうに見える。
これは目的が尖っているほど強い目的意識を持つため、強いパワーを出す。
ところが、さほど目的らしき目的のない人は、のんびりだ。強いパワーが必要ではないためだろう。これは肉体的にも精神的にも。
元気のない人は精神力が弱いのではなく、目的が弱いためだ。ハイパワーを必要としないため。
だから、目的を失った人は元気も失う。やることがないのだ。そのため別の目的、目標を探す。見つかればやることが出来る。それで元気に動ける。
ただ、この場合の目的は人により異なる。当然だろう。さらに周囲の認知度にもよる。目的が共有され、期待されているためだ。自分勝手な目的を作った場合、周囲との共有は少ないが、目的のあるなしで言えば、あるのだから、これは元気に進める。
目的にも種類があり、質の違いもある。世間からは目的とはみなされていない事柄もある。ただ、本人が強い思いで、それに価値を見出しておれば、別だ。
目的や目標がどんどん変わる人もいる。達成できる可能性の少ないネタだと、どうしてもやる気が薄らぐ。他人と比べて劣っている場合は、なおさらだ。自慢さえ出来ない。それで、自分らしいネタを探す。これは探すことだけでも十分目的となる。下調べだけ、用意だけ、準備だけでも十分。この場合、実践はしないほうがいい。すぐに退散する可能性が高いからだ。これは取っておいたほうがいいだろう。
大きな幸せは手に入りにくいが、小さな幸せなら入りやすい。と、言われている。これはコツだ。小さなところに幸せがあるというのは、一種の境地で、これはその心境になるための経験が必要だろう。またはそう思えるだけの何かをやってきた人だ。
そして、本当に小さな幸せに入り込んでいる人は、それさえ気付かないかもしれない。
目的を持たなくても、いつの間にかそれをやっていたこともある。これも一つの境地だ。この場合、手順書はいらない。
了
2013年6月6日