小説 川崎サイト

 

暫定


 昨日、今日あったことが明日を決めるわけではないが、以前思っていた明日が、そうではないようなことが分かると、決め事も当てにならない。決めなければいいのだが、それでは動けなかったりする。
 そして決めないと前へ進めないとなると、まずまずのところで決めて、一応先へ進む方がいい。そうでないと止まったままでは不都合が出る。
 だからそのときの決め事は確定、断定ではなく、暫定。とりあえずなのだ。このとりあえずだけでも結構間に合う。
 また、このとりあえずはしかと見定めたわけではないが、方向性程度は合っている。あとは勘で、ムード的なことも多い。
 そのためではないが、決め事は更新される。固く決心したことでも変える必要があるし、だからとりあえず決めたようなことなど軽いものなので、いくらでも変えられるだろう。暫定なので。
 この暫定は決めているようで決めていない。そして、このいい加減な決め事でも、不都合がなければ結構長持ちし、本気で決めたことよりも、よかったりする。
 決め事をすると、自分の首を自分で絞めているようなことにもなりかねない場合もあるが、そのときは流石に苦しいので変えるだろう。
 よかれと決めたことでも、後々よくなくなっていくこともある。
 それらは昨日や今日にそれが現れる。色々な事柄にも渡り、結構忙しい。
 決め事の影響や成果が出てくるのだろう。それが深刻な場合とか、または単に不快だと感じるようになれば、更新時。すぐには変更できないかもしれないが、方針を変えるチャンス。これがきっかけになる。それは過去というほど遠いものではなく、昨日今日から感じたことの方が発火しやすい。
 その場合、暫定的に、とりあえず決めたような態度なら、これは変更しやすい。重みがないためだ。
 暫定なので変えてもいい。
 当然適当に決めたようなことなので、間違いが多い。だから常に修正し続けたり、修正ではなく、違うものに乗り移ったりする。
 重さにも価値はあるが、軽さにも価値がある。そして重いのに軽いような、軽いようで重いような曖昧な場合、それをオモカルと呼んでいいだろう。重くもあるし、軽くもある。遅いようでいて早い。早いようでいて遅い。
 ほとんどのことは「意外と」でできていたりする。だが、意外なことばかりだと、意外ではない普通のことがよかったりしそうだが。
 
   了

 


2019年12月4日

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