小説 川崎サイト

 

順番

 
 ものには順番、順序があるのだが、その段階を飛ばして、一気にやってしまうこともある。これは無理っぽいし、いい方法ではないので、やはり順番がある。
 これをして、あれをして、という具合に。外堀や内堀を埋めていくようなもの。時間はかかるし、手間もかかるが、本丸を攻める時は、もう既に落としたようなもの。邪魔な内堀も外堀もないので。
 当然、それをしないと、次へは進めないというのもある。飛ばせない状態。これなら素直に従うだろう。方法はそれしかないのだから。
 しかし、もの凄く遠回りなやり方もある。それを踏まなくてもいいのに、丁寧に詰めていく。だが、これは無駄な詰め方で、やらなくてもいい順序、順番かもしれない。
 それを何となくやってしまうのは、まだもう少し寄り道がしたいのか、または、すぐに次の段階に入りたくないのかだ。
 当然、最初から、そういうことはやりたくないのかもしれない。
 道草、寄り道、遠回り。これも悪くはないし、そう急いで目的を達成しなくてもいいのかもしれない。ただ、寄り道が過ぎると、もう初期の目的とは違う方向を向いていたりする。
 順番を踏むやり方も、かったるいこともある。そこまで丁寧にやることはなく、省略出来たりする。しかし、それは急いでいる時だろう。
 ただ、順番がある場合、それを間違えると、二度手間になったり、やったことの全てが無駄になったりすることもある。これは順番が悪いのだろう。どれが先か、どれがあとかの後先を考えると詰めが甘かった場合に起こりやすい。
 ただ、順番は何となく分かっていたりする。おそらくこうだろうと。しかし、間違っていた場合、早い目に気付くはず。そのとき、修正すればいい。
 外堀を先ず埋めるため、土などを運ぶ。これがなかなか大変で、膨大な土などを投げ込まないといけないので、埋め立て工事だ。
 これだけで、もう根を上げたりする。順番は分かっているのだが、その最初の土運びだけで、精根尽きたりすることもあるだろう。
 では土を運ぶ方法を考えればいい。そのための順番があるはず。
 効率のいい道具類などがあればいいと分かると、今度はその道具類を調達しに行ったり、作ったりする必要がある。これがなかなか上手く作れなかったりする。
 本丸は遠い。
 
   了



2022年10月19日

 

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