小説 川崎サイト

 

気掛かり

 
 気になるものや、気にしているものがある。良い事なら楽しみになるが、悪いことなら苦しみになる。
 気になるのは普段とは違うとか、勝手が違うとかの変化だろうか。
 その場限りのものと、その先がまだありそうな事柄がある。一寸した未来予測。先々のことを想像する。いいことなら良いが、悪いことなら、そうなってしまうのかと心配になる。
 また気になることが昨日も今日も続き、明日もそんな感じで続いているのなら、これは厄介な未来になるが、良い事なら、歓迎だ。そこまで良い事は続かないが。
 良いことよりも悪いことの方が続くような気がするし、気になることの多くは悪いことかもしれない。良い事は別段あってもなくても困らないが、悪いことはあっては困る。ちょとした危機。こちらの方が大事なので、目立つのだろう。
 ただ良いことも悪いことも、先々の予想がつくこともある。前回経験したものを覚えているため。しかし、その通りに行くとは限らない。
 先読みする。これは現実にはまだ起こっていないのだが、この調子ではそうなるだろうという感じがある。
 悪いことなら外れると御の字で、良い事だとがっくりするかもしれない。しかし、がっかりしても大した問題は起こらない。なかってもいいことだったりする。
 不安というのは、どうなるかが分からないために起こるのかもしれないが、分からないが予想は出来る。その想像通りになることもある。
 悪い予感は外れる方がいい。取り越し苦労であって欲しいのだが、現実はどう出るかは分からない。
 良いことはちょとした楽しみであり、喜びでもあるのだが、これはなくてもかまわない。ただ、期待に胸を膨らませているときは、いい感じだ。一寸元気になる。まだ、起こっていなくても。実はその頃の方がよかったりする。
 苦しみに慣れた人を苦労人と呼ぶのかどうかは分からないが、歴戦の勇士だ。しかし、敢えて苦しいことを望んでまではやらないだろう。その先に良いことがあるのなら別だが。
 
   了

 


2023年3月17日

 

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