川崎フォトエッセイ  その327  泥棒封じ    ←前 →次  HOME

 内部から見ると、外部の人間は得体が知れない。そのため、外敵を防ぐために塀をめぐらす。さらに、それを乗り越えて侵入する曲者のため、ガラスの破片とかを突き刺したりしている。よく考えると凄まじい光景だ。

 塀沿いを歩いている人の中で、その塀を乗り越えて、何か悪いことをやろうと思っている人が、何人いるだろうか。 「人を見れば泥棒と思え」というコピーがあるが、その流儀でいくと、全員泥棒と言うことになる。

 確かにこそ泥に侵入さると大変だ。平和な日常が覆される。そのため、家そのものが、戦闘態勢に入っているような、仕掛けを作っても不思議ではない。そのほうが、内部の人間は落ち着くだろう。あのガラスを乗り越えてまでは入って来れまいと……。

 しかし見慣れてしまうと、それが、泥棒よけだということを意識しなくなり、単なる塀に付けられたまじないのように、思えてしまう。