川崎フォトエッセイ  その470 センス       HOME

 人にはセンスがある。趣味性や好みなどだ。それらは持って生まれたものよりも、その後獲得したものの方が、よりセンスとしての面白みがある。つまりセンスの次元は、ある抽象的なレベルに達してこそ「センスの善し悪し」などが問われる。それ以前のものは性癖とかのレベルで、べたべたした感じがある。つまりどうしようもない世界で、その世界に対してとやかく言いにくくなる。

 センスのあるなしは、何かに対してそれなりの意見なり、態度なり、捉え方などを持っているか、持っていないかだが、必ずしも全ての事柄にセンス云々が必要なわけではない。

 センスのなさが、あるシーンでは非常に価値となり、役立つこともある。誰かのセンスのふるいにかけられるよりも、通してくれる方がありがたいこともあるからだ。

 センスは生きているうちに揉まれ、変化していく。センスが性癖のレベルに落ちると、固定しやすくなり、もはやセンスとは呼べなくなる。