川崎フォトエッセイ  その480  日常ドラマ      HOME

 ありふれたドラマにはドラマ性はない。ドラマチックなものを求めている場合、普通ではないような状況が望まれる。

 しかし、ありふれた状況の中にも、微妙なドラマ性が含まれている。日常のドラマは「ホームドラマ」なのだが、ドラマ性の高さよりも、扱われているネタがよくある状況なので「劇を見る」という雰囲気ではないのだろう。

 ホームドラマは家族や家庭を扱うことが多い。その一員だけを抜き出して、たとえば第一子の青年だけクローズアップして描いていけば、別のジャンルになる。

 ありふれた日常風景も、その中の一つをクローズアップすれば、奇想天外な状況、ありふれていない状況も可能だ。

 全てのものがありふれているようでいて、視点を変えれば、それなりのドラマを背負っている。ただそれが見えてこないだけだ。たまに垣間見ることができるのだが、想像の段階にとどまる。