川崎フォトエッセイ  その551  上品下品      HOME

 話レベルの高低は、低いほどわかりやすく、高いほど難しくなる。たとえば天気の話などは、挨拶として使えるほどわかりやすいネタである。このレベルから気象学へとレベルをあげると、誰にでも分かる話ではなくなっていく。そのネタに高低があるのではなく、そこから先の展開に段差があるのだ。

 駄洒落なども、本来のネタについていけなくなったときに発することがある。

 下世話ネタは、特に学ばなくても分かる話である。ネタとしてのすそ野が広いため、多くの人が理解できるのだが、話がベタになりやすい。つまり、そこから先の抽象化が下品になり「それはそれとしてある」という感じ以上のものが生まれにくい。

 下品と上品の差は、上に行くほど理解できる人が少なくなることだ。同じネタでも上品に話すと、ベタな可笑しさが薄れてしまう。その反面、もう少し引いた次元からの普遍的なものを垣間見ることができる。