川崎フォトエッセイ  その652  下町の解放感      HOME

 下町風景には生活の匂いがするのは、生活用品とかが表に露出しているためだろうか。

 隣の人がどんな暮らしをしているのか伺い知れないような密封性の高い建物に比べ、下町の気楽さはプライベート箇所をそれとなく見えるためだろう。

 隣人や周囲の人との接触は時には不快さを伴う。それは露出し合う機会が多いためで、自分の領域に踏み込まれたり、覗かれたりする不快さだ。

 密封性の高い場所で暮らしていると、プライベート空間度も高いものになるが、脅かされることに対しての気づかいも高くなるようだ。

 気さくな下町の中では、オープン度が高く、それに慣れてしまうと気楽な気持ちになる。それは隠す配慮に鈍感になるからで、守る気づかいから、多少は緩和される。

 それは見知らぬ隣人ではなく、見知った隣人関係が自然に出来ているためだろう。