川崎フォトエッセイ  その692  山里探訪      HOME

 知らない土地を訪れ、知らない人と出会う。互いに知らない関係でも、訪れた目的が似ていると、親しみを覚える。

 地元の人と、訪れた人との関係よりも、訪ね来た人同士の関係のほうが、立場が似ているため、土地に対して似たような見方をするからだ。

 地元の人でもあまり行かないような神社とかは、観光客が占領してしまう。その観光客も、隣町から来た人もいれば、一泊を必要とするほど遠方から来た人もいる。

 そこはローカルな土地であり場所であっても、都心部と変わらない人間模様が形成される。その意味で都市は見知らぬ外部の人々が寄り集まった場所で、開かれた空間でもある。

 何でもない山里の神社にも、都市の波が寄せてきている。そこから離れようとして、山里へ向かっているはずなのに、似たような人が、集まってしまい、振り出しに戻される。