川崎フォトエッセイ  その795  消えないディバイス       HOME

 時代が進歩し、古いものが淘汰され、塗り替えられ、置き換えられてきても、未だに残っている古いディバイスがある。

 この時代に残っている古い仕掛けは、それが決して色あせず、今も実用価値があるためだ。当然それは本来の目的から離れていることもあるが、人が持つ精神的な何かは、機能だけからでは浮き沈みしない。

 例えば、実用性がないということで、逆に和める世界になり得るし、時代とは関係なく存続するということで、安定した存在となる。

 インターネットの普及で、双方向な関係が簡単に可能になるが、その弊害も多い。双方向なので、相手側も反応するからだ。

 片方向での投げかけは、相手側の反応は確認できないだけに、または、相手がこの世のものではないとかの場合、投げかける行為そのものに充実感がある。

 いつの時代にも残っているものには、それなりの価値がある。そのものの価値よりも、この時代だからこそ価値が増す行為となるようだ。