その821
なごみ
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花を見ていると和むことがある。花を見るために花を見るのではなく、偶然花を発見し、ふと見たときの一瞬に、その「なごみ」が発生する。
これ見よがしに咲いている花でも、さあ見て下さいとなっていない場合、花との遭遇が違ってくる。
花は確かに美しいものなので、ウケがよい。それがわかっているだけに、日常の中では見たくはないときもある。
何気なく通りを歩いていて、ふと、咲いている花を見たときは、意識が切り替わる。それだけで十分で、それ以上追うと、その感情が逃げてしまう。
その日、僕がやろうとしていることと、花が咲いていることとは次元が異なる。別の事柄であり、メインとは関係がない。
つまり、これは気分転換的行為なのだ。無関係とはいえ、どこかで繋がっているはずなのだが、それは遠いところで、当面の問題ではない。
なごみがそこにあるとすれば、その世界が、そっとそこにあるからだ。つまり切り離されたレベルへのワープだろう。