川崎フォトエッセイ  その924  洗い場       HOME

 タイルを一枚一枚張る作業は手間暇がかかる。しかし仕上がったものは、セメントをむき出しにしたものより、遙かに感触がよい。磨くことが出来るし、汚れも拭き取りやすい。

 昔の流し台を見ていると、小石を敷き詰めたようなものもある。これは大きな石をくり抜いて、その中に水をためるような感じで、より自然に近いイメージを演出していた。

 流し台もステンレスになり、ペコンペコンとした感触となり、これはバケツを四角く拡げたような印象となる。

 要は、水が漏れないような器的空間があれば、用が足せるのだが、機能や効率は時代と共に変化していくため、感触もまた、変化していくのだろう。

 以前なら、普通に造られていたようなものでも、その時代が終わると、今度同じものを新たに作ろうとすると、コスト的に高くなるようだ。