川崎フォトエッセイ  その986  人跡       HOME

 電柱や高圧線が写り込んでいる風景写真は、リアルな写真となりやすい。この場合の風景写真とは江戸時代の風景的セッティングだろうか。つまり絵葉書写真の世界だ。

 風景イコール自然ではないが「風」のイメージが自然の気配があるため、どうしても無骨な人工物が写りこむと興ざめすることもある。

 人工物の気配は、現実を思い出させる。自然の風景だけなら、そこへワープ出来るのだろう。

 高圧線が見えない山並だと、時代劇の背景に使える。街から近い山並みだと、どうしても高圧線や鉄塔が入り込む。

 深い山に分け入れば人工物の密度は低くなるだろうが、道路もない場所ではロケも出来ないだろう。

 山に入り込み、迷ったときなど人工物があるとほっとすることもある。