川崎フォトエッセイ  その1021  顔の花       HOME

 子供が書く花の絵には目鼻や口が書き込まれることがある。比較的平面的で丸い輪郭の花に多いようだ。

 実際には存在しない花もある。図形的に書いた花や、花一般を示すような図だ。それが任意のどの花を指しているのかは問題ではなく、それは動物を指してるのではなく、花を指しているのが分かればよい。その意味で言葉に似た花だ。

 言葉は現象を区分けしたりすることが得意だが、立体交差しているような使い方になると指しているものが分かりにくくなる。本人は分かっていても、受け取る側がイメージ化しにくいのだろう。

 言葉遊びは楽しいが、一つ間違えると厭な印象与えることがある。その遊びに同調している間はよいが、そうでない時や場所ではうんざりする。

 遊んでいる人の気持ちよさに比べ、聞く側の疲労度は増す。

 率直に咲いている花にすがすがしさを感じるのは、世の中には必要以上にレトリックが多いためだろう。