川崎フォトエッセイ  その1171  壁       HOME

 壁があるため向こう側が見えないことがある。当然、壁のため、前へ進めない。その壁に出入り出来る箇所があれば別だが…

 人の世界にも、抽象的な意味合いでの壁がある。物理的な壁もあるが、精神的に越えられない壁もある。

 その壁を何とかしようと言うのではなく、その壁を観察するのも面白い。どうせ越えられない壁なら、その壁の向こう側ではなく、手前で、壁を味わう感じだ。

 壁そのものには意味はない。具体的な者は、壁の向こう側にある。壁そのものは、単に邪魔なだけなのだ。

 だが、その壁を見ていると、内側や、向こう側が想像出来る。

 内側や向こう側は、その壁と似た雰囲気のものだと思えるからだ。

 壁はあると越えたくなるが、越えてしまうと、思っていたほどのものではない場合もある。

 壁そのものを見ているときのほうが、夢がありそうな感じだ。