川崎フォトエッセイ  その1197 閻魔      HOME

 ある脅しが効かなくなることがある。文化の持つ約束事とかが、崩れだしたとき、悪い因習から解放されることもあるが、同時に共有していた良い因習を失うことになる。

 物事が明快に解析、解読されるようなことは、錯覚かもしれない。

 分かったことによる安心感を得るだけで、物事は何も変わっていないこともある。

 細部が分かっても、分かるという状態が、そもそも曖昧なことのように思える。

 ある論理が崩れると、別の論理で、組み立て直すのだが、どの論理にも、人にとって不便な面、都合の悪い面が出てくる。

 曖昧な箇所は、暗黙の了解のように、それ以上追求しない方が好ましいこともある。

 そこを明快にしても、新たなものが出てこないのなら、暮らしの中では、あまり影響はない。

 人は人の都合で、いろいろなものを発明する。突いてはいけない嘘もある。