川崎フォトエッセイ  その1227 夜明け前      HOME

 早朝、新聞配達と牛乳配達は、よく見る光景だ。

 新聞受けと、牛乳箱が並んでいたりする。しかし、牛乳はコンビニなどで買えるようになり、宅配は減ったのではないだろうか。

 昔からあるものも、その始まりは意外と最近のものがある。しかし、子供の頃からあるものは、ずっと昔からあったように錯覚してしまう。

 物心がつくかつかないかの数年間や、全く記憶にない産まれた頃からの数年は、太古の昔ほどの距離感を感じる。

 体験しているはずなのだが、思い出せない数年間は個人史の中では謎の部分だろう。

 その期間、何があったのかは親や周囲の大人が覚えているし、また写真やビデオで記録されていても、本人は体験した覚えのない闇の世界である。

 眠りから覚め始める夜明け前の世界も、それに近いかもしれない。