川崎フォトエッセイ  その1257 古い印象      HOME

 古い印象がある。決して新しい印象ではなく、時代的にも古く感じられる光景だ。

 新しい印象とは、今まで見なかったような現代的な光景だろう。

 当然新しい印象のほうが、よりアクティブで、現実的印象が強い。悪く言えば生々しい。

 生々しさとは、今にもそれが迫ってきそうな印象で、さらに今の自分とも関わってきそうな印象だ。

 現代アートが今風な素材を使うのと同じで、ものとしてはまだ生乾き状態のものを扱うため、親しみやすいが生意気な印象を受ける。

 古い印象は、もうそのものには勢いがないため、安心して見てられる。

 その古い印象も、今風な感覚で紹介し直すと、逆に生々しさが出てしまい、距離を置いて鑑賞する感じではなくなる。

 そっとそこにあるような印象を与えてくれるものや、ふと気づくような光景のほうが印象は強いようだ。