川崎フォトエッセイ  その1361 落ちない猿       HOME

 動くことのない作り物は安定しているが変化がない。

 あるポーズをとったまま止まった状態で、動くことはないため、特化した存在になる。

 自然の生き物は、それなりに動いている。内部からの動きや、外部からの働きかけで、様々な変化を見せてくれる。

 その意味で、生命のあるものの動きは見ていて飽きない。

 動物園の動物を見て楽しむのは、動いているためだろう。まさに動物という感じだ。

 人も動物なので、動いてはいるが、司令塔は本能的に動いているわけではなく、かなり大きな意志で、強引に動かしている。

 そのため、人の動きは、動きそのものよりも、その動きが目指しているものの方に注目ポイントが行く。

 身体は動いていても、意志を実現させるための気合いなどがなくなると、止まったのと同じような気持ちになる。