川崎フォトエッセイ  その1382 弱まる       HOME

 古びたものを見ると、落ち着くのは、それが維持されてきたことに対て…だろうか。

 前時代の遺物は、もう力を失っているため、迫ってくることはない。

 その存在が悪しきものであったとしても、古くなりすぎ、時代から取り残されると、鑑賞の対象となる。

 目立たない存在となってしまっても、未だに生きながらえているものは、その歳月に対して驚きを感じる。

 しかし、どんな存在にも限界があり、いずれは新しいものに取って代わられる。

 強度を失ったものは、それなりに安定している。強度を必要とするほどの圧力がかからないため、弱まっているだけだ。

 しかし、そこに圧力がかかると、眠っていた強度が復活し、眠っていたエネルギーを噴き出す畏れもある。

 油断は禁物だ。

 

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