川崎フォトエッセイ  その1393 並木       HOME

 並木は、庭ではないが、庭に何かの木を植える感じと似ている。

 林ではなく、並木は、道沿いや川沿いに線状に並んでいる。

 公園と違い、日常の中での道沿いに植えられているため、特別な場所ではない。

 春は桜並木、秋は銀杏並木が際だつ。いつもそこにその樹木はあるのだが、色が加わる季節が旬となる。

 色は、人が生きているという積極的な意味合いがある。

 人生の並木道という言葉がある。人々の欲望などを踏まえた上で歩いてきた道のような感じだ。

 日本人の好みとしては、その儚さにある。人生は儚く虚しいという消極的な考え方だ。実際よりも控え目な把握の仕方なのだが、その表とは裏腹に、したたかな企みが隠されている。

 人の一生より樹木の方が長生きする。その並木の下を歩く人々も、かなり世代交代をしているはずだ。

 

川崎フォトエッセイ  その1393 並木       HOME