川崎フォトエッセイ  その1483 徘徊      HOME

 人が行き交う場所を徘徊する老人がいる。

 商店街で買い物をするわけでもなく、その辺を見回る感じだ。

 徘徊老人と、散歩人との違いは微妙だ。

 散歩も実は徘徊なのだ。

 徘徊は目的がない。散歩には目的がある。目的を持たないで歩くという目的だ。

 散歩人が徘徊するのは、散歩目的としての徘徊だ。

 散歩者も、散歩にふさわしい場所以外では、危うい存在となる。

 繁華街などでは買い物などのような目的がないと、うろうろしにくいものだ。

 うろうろしているようでも、実は色々と店を回って、品定めしているのだ。

 買う目的を持たないで、単にうろうろしている状態は、買う以外の目的が想定される。

 しかし、人が行き交う場所を意味もなく混ざり込むのも悪くはない。

 

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