川崎フォトエッセイ  その1492 欠落       HOME

 一つの感覚が欠落すると、他の感覚で補うことがあるらしい。

 しかし、欠落したものと同じ機能を果たすわけではなく、他の感覚がより研ぎ澄まされ、何とか欠落感覚を補おうとする感じだ。

 また、欠落した感覚を必要とするジャンルに敢えてチャレンジするより、研ぎ澄まされた感覚をさらに延ばせるジャンルへ向かうほうが好ましいようだ。

 この発想は負けることが分かっている勝負はしないのと同じで、決して卑怯な方法ではなく、生きるための知恵だ。

 人は自分が欠けている感覚に劣等感を感じ。負けじと正面攻撃する場合がある。

 この場合、動機が自己の欠落から生じているため、その面を他者が知らない場合、異様な攻撃と受け止められやすい。

 人の行為が、ローカルな事情から生まれるのは仕方がないにしても、自分のためにしか生きていないことを正直に言いすぎている。

 他者と生きるには、もっと巧妙な配慮が必要だ。

 

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