川崎フォトエッセイ  その24      ←前 次→  ホーム


 昼間一度訪れた街でも、夜に来ると、別の街に来たような錯覚を覚える。同じ街なのに、かなり違うのである。

 印象が違っていても、亜空間の街へワープしたわけではない。「もの」は同じなのだ。 昼と夜では街の印象ががらりと異なるが、そのほとんどは照明の違いだろう。照明だけのことで、別の街のように感じるのは、情けない話である。

 しかし、朝と昼と夜とでは、行き交う人も違うのは確かだし、開いている店屋さんも異なるので、やはり一つの街でも時間帯によって、多面性があることは確かなようだ。

 そういう僕も時間帯によって情操が変わる。寝起きと寝る前とでは、発想が異なる。夜のほうが、見えるものが狭くなり、そして深くなるため、あらぬ事を考えつきやすい。

 朝になって、とんでもないことを考えていたと反省することしばしだ。 夜は情緒が走りやすい。