こんな場所がまだ残っていたのかと、思わず立ち止まってしまう街並みがある。
しかもそれが観光地ではなく、普通の町中で偶然見つけた場合、喜びもひとしをだ。
あるべきものがある場所は「ああ、あるある」で通過してしまうが期待していない場所に、それがあると、感動の度合いも大きい。
路地裏探検の楽しさは、行き当たりばったりで歩いていても、それなりのものに遭遇することだ。
これは探すつもりではなく、見つけてしまうパターンで、偶然の出会いが味噌なのだ。
好きな建物や、好きな通りを発見しても、大騒ぎするほどのネタではない。所詮は個人的な出来事なのだが。
寺社仏閣巡りより、路地裏巡りのほうが面白いのは、そのパターンが読めないからで、何が飛び出してくるか分からない面白さがある。
見せ場になる景色も演出されていない。人が住んでいるナマの場所だけに、立ち止まって観察するにしても、一寸緊張する。