川崎フォトエッセイ  その30  路地裏探検    ←前 次→  ホーム


 こんな場所がまだ残っていたのかと、思わず立ち止まってしまう街並みがある。

 しかもそれが観光地ではなく、普通の町中で偶然見つけた場合、喜びもひとしをだ。

 あるべきものがある場所は「ああ、あるある」で通過してしまうが期待していない場所に、それがあると、感動の度合いも大きい。

 路地裏探検の楽しさは、行き当たりばったりで歩いていても、それなりのものに遭遇することだ。

 これは探すつもりではなく、見つけてしまうパターンで、偶然の出会いが味噌なのだ。

 好きな建物や、好きな通りを発見しても、大騒ぎするほどのネタではない。所詮は個人的な出来事なのだが。

 寺社仏閣巡りより、路地裏巡りのほうが面白いのは、そのパターンが読めないからで、何が飛び出してくるか分からない面白さがある。

 見せ場になる景色も演出されていない。人が住んでいるナマの場所だけに、立ち止まって観察するにしても、一寸緊張する。