川崎フォトエッセイ  その32  道路    ←前 次→  ホーム


 道路は自動車が走る道になった。歩行者は、この大きな道の中央部を歩けなくなった。そのかわり、道路脇に歩道が出来た。それでも狭い道には歩道はなく、自動車と同じ場所を歩くことになる。

 街で暮らしていると、外出するときは、先ず家から道に出る。駅へ行くには当然道の上を歩いて行く。よそ様の家の庭は通れない。

 考えてみると、町中を自由に歩けるといっても、道の上や入ってもいい建物の中を歩けるだけなのだ。そして、その道は、自動車が通っているため、非常に危険な場所でもある。

 たった数メートルの道を横切るだけでも、信号待ちや、自動車の通過を待たないと歩けない。慣れてしまうとそんなものだと思ってしまうが、事情が飲み込めない猫や犬は、飛び出して自動車に轢かれる。

 犬や猫から見ると、道路は、巨大な大砲の弾が始終飛んでいる危険ゾーンなのかもしれない。