川崎フォトエッセイ  その68  本屋    ←前 次→  HOME


 日課というのは恐ろしいもので、それが定着してしまうと癖になる。それを外すと、いつもの日常が狂ったようで落ち着かない。

 特に用事がない日は、本屋さんまでの道をスクーターで通っている。ほぼ同じ時間に、同じ本屋さん前の歩道にスクーターを停めている。

 同じ時間帯にその本屋さんに来ている人なら、見慣れた風景として認識するかもしれない。

 さらに本屋さんの店員も、いつもの客がいつもの時間帯に来て雑誌を立ち読みしている風景を、違和感なく見ているはずだ。

 この時間と空間は、僕が占領しているわけで、ここに僕の日常の断片がある。これを抜いてしまうと、一日のペースが一寸狂ってしまう。

 同じ場所同じ空間でも、僅かな変化がある。これはベースが固定しているからこそ見える世界である。