川崎フォトエッセイ  その69  夕日    ←前 次→  HOME


 よほど早起きをしないかぎり朝日を見る機会は少ないが、夕日を見る頻度は多いようだ。

 それでも夕焼け空を見る機会は少ない。それなりの条件がそろわないと「夕焼け」にはならないし、また、偶然その場に居合わせないとお目にかかれない。

 空があるのかどうかわからないようなオフィス街でも、夕日(西日)による真横からの光線は、はっとさせるものがある。

 僕らの勝手な日常とは関わりなく、天気は動いているのだ。仕事や人間関係にもつれたとき、空を見てほっとするのは、個々の日常とは関わりを持たない出来事のためだ。

 干渉することができないものを観賞するのは、切り離されているだけに、見物客でいられる。

 オアシスは、この日常の外にあり続けるものだ。それが日常化すると、煩くなるだろう。