よほど早起きをしないかぎり朝日を見る機会は少ないが、夕日を見る頻度は多いようだ。
それでも夕焼け空を見る機会は少ない。それなりの条件がそろわないと「夕焼け」にはならないし、また、偶然その場に居合わせないとお目にかかれない。
空があるのかどうかわからないようなオフィス街でも、夕日(西日)による真横からの光線は、はっとさせるものがある。
僕らの勝手な日常とは関わりなく、天気は動いているのだ。仕事や人間関係にもつれたとき、空を見てほっとするのは、個々の日常とは関わりを持たない出来事のためだ。
干渉することができないものを観賞するのは、切り離されているだけに、見物客でいられる。
オアシスは、この日常の外にあり続けるものだ。それが日常化すると、煩くなるだろう。