一年に三度ぐらいしか利用しない駅がある。乗換駅の場合、駅周辺へ降りる機会がないため、街よりも駅の構内のほうが馴染みの景色となる。
ある日、その駅へ寄ったのだが、駅舎が変わっていた。当然階段やホームも違っていた。駅名は同じでも、モノが違うのである。
意味としては同じだが、感じが違うのだ。感じが違うと意味まで変わるわけではないが、気持ちの戸惑いはある。
おそらく、あと数回利用すれば、この駅に馴染み、僕にとっての日常風景として更新されるはずだ。
その日は用事があったので、その駅で下車し、周囲を歩いた。変わったのは駅舎だけではなく、駅前風景も変わっているのだ。まあ、同じ状態であり続けるほうが、おかしいのだが。
駅や街が変貌することは、それこそ日常茶番だ。当然その覚悟はできている。驚くべきことではないのだ。