川崎フォトエッセイ  その82  市場    ←前 次→  HOME


 コンビニばかり利用していると、市場が新鮮に見える。特に八百屋さんの店先は、色とりどりの野菜が並んでいるので、陳列を見ているだけでも楽しい。果物屋さんもそうだ。
 たいがいの市場は、真ん中に通路がある。その通路は、普通の道としても利用することができる。そのため、スーパーとちがい、立ち入りやすい。買う目的がなくても覗けるのだ。雨の日などは、アーケードが格好の傘になる。雨宿り場所としても利用できるのだ。
 市場には独特の匂いがある。味噌の匂い、コロッケを揚げる油の匂い、魚を焼く匂い、果物の匂い。そういった匂いが混ざり合っている。
 市場は雑多で喧噪なほど好ましい。活気があるほうが、野菜も魚も新鮮に感じられるからだ。
 それと、人が群れ、そして流れる場所は、生きている実感をも嗅がしてくれる。