川崎フォトエッセイ  その109  通学路    ←前 次→  HOME


 小学校時代の通学路は、今、思い返すと、別世界の趣がある。僕が通っていた大阪郊外の小学校などは、同じ日本の国とは思えないほど、周囲の景観が変化している。

 それだけに、あのころの世界が宝物のように思えてならない。今を否定的に見ているわけではない。少年時代は、大人になってからの時代よりも、伸びやかに暮らしていたためだ。

 子供なので、大人達の視線も柔らかで、可愛がられる対象でもあったわけだ。中学生あたりになると、もう、そんな甘えは通じなくなるので、やはり小学生時代は天国だったのかもしれない。

 子供は大人の世界とは別の世界を見ている。こだわっていることが違う。大人から見れば、なんでもないことなのだが、受け取り方が違うので、投影するものも違うのである。

 小学生時代、何を考えていたのかを発掘してみるのも、面白いかも。