場所には類似するパターンがある。そのパターンには普遍性がある。しかし、外面は「あるパターン」に属していても、内面まで同じではない。そのあたりが、日常的に陥る誤解や錯覚の導火線になりやすい。
また、外面は違っていても、内面が似ていることもある。そのあたり、非常に紛らわしい。
場所の雰囲気が、そこに住む人の雰囲気と同じかどうかも疑わしい。
たとえば古い木造家屋に住んでいる人が、マンションに引っ越した場合、その人のイメージが違って見える。同じ人でも居る場所によって雰囲気が違ってくる。
当然それは、観察する側の気分的なフィルターが影響するためである。これを主観的と呼ぶが、このフィルターが実はおいしいのである。
人や場所の佇まいを見ていて飽きないのは、はっきりとした正解がないためだろう。