川崎フォトエッセイ  その161      ←前 次→  HOME


 駅のプラットホームで蟻が餌を運んでいるのを見たことがある。電車を待つ間、何気なく地面を見ていると、かすかに動くものがあり、何だろうと、目を望遠にして眺めると、それが蟻だった。プラットホームの下の地面に巣があるのだろう。

 蟻の一家と僕とは無関係である。交際はしていない。無関係でも、働いている蟻を見ていると「働く」という意味では共通するところがある。

 餌を直接運ぶのが、働くことになるのだから、これほどわかりやすい働き方はない。僕らの社会では、餌が道に落ちているわけではないので、買い物に行くことになる。つまり商品を買うわけだ。

 町内を歩いていると、食料品や日用品を運んでいるオバサンをよく見かける。これも非常にわかりやすい絵だ。

 オバサンが子供を自転車の後ろに乗せて走っている絵も、なぜか心が和む。自転車の二人乗りはいけないのだが……。