深夜のファーストフード店に行くと、二十歳前後の若者が、いろいろな話をしている。別に僕は盗み聞きしているわけではないが、聞こえてくるのである。
アルコールを置いていないファーストフードの店では、酒場での話題とは違ったネタの展開があるようだ。将来のことや、彼女や友人のことや、受験や就職のことなどを、かなり真剣に語り合っているのだ。酒場とはトーンが異なっている。
語るべき夢があるため、長時間喋り合えるのだろう。行く学校や、会社によって、人生が大きく変わるため、そのとば口に立っている関係からか、話もダイナミックであり、そしてわかりやすい。
おそらく、いくら語っても、語りきれないのだろう。結論が出ないまま、次回のミーティングに持ち込まれたりする。
そしてハンバーガーを運ぶバイトの子も、同じとば口に立っているのだ。