川崎フォトエッセイ  その180  ダーク    ←前 次→  HOME


 同じ場所でも、晴れの日と雨の日とでは印象が違う。その印象が、現実を変える決定的な理由になるとは思えないが、引っ張られることは確かだ。

 自然現象の演出に引っ張られるのは情緒だ。現実や状況の把握は、しっかりやっているつもりでも「もしや」の要素がある。それだけに現実そのものも、柔らかいのだ。現実が柔らかいのではなく、解釈が柔らかいということだが……。

 人や物といった現実は常に動いている。変化していく。それらを日々解釈の更新をしているわけではない。数年前の解釈でも、まだ通じると思い、それに当てはめようとする。そのため食い違いが生じる。

 天気は「もしも」とか「あるいは」とかの解釈を情緒的に思いめぐらせてくれるような効果がある。雨の日だと、少しダークさが誘発される。まあ、そんな単純なものではないが、情緒面は、思っている以上に「そのまんま」で短絡的な勢いがあるようだ。