人は二十歳を過ぎてからは、それほど大きくならないが、樹木は大きくなる。もし人間も年と共に大きくなるなら、百歳を越えると、ガリバーのようになってしまう。
目や口のある老木のオバケが漫画やアニメに登場する。枝が腕になっていたりする。なかには根が足になって移動するのもいる。
老木は中がうつろになっているため、そこに神様や精霊が宿るのだろうか。神木と呼ばれ、注連縄が張られている。聖なるものがこの中におわすので、用事もないのに入ってはいけないという印である。
年輪を重ねると、ある種聖なるものが宿ったりするのは、年功序列タイプの文化だろうか。
宗教や信仰の問題ではなく、この世のからくりとは異なるものを認める行為は、それ以上に恐ろしいものが存在するためだろう。
昔は自然現象が恐ろしかったが、今は人間が恐ろしい。