川崎フォトエッセイ  その208  コウモリ    ←前 →次  HOME

 初夏の夕暮れ時、コウモリが飛び交っているのを、毎年見かける。近くに山もなく、森らしい森もなく、田畑も年々分譲住宅地に塗り替えられていくのに、いったいどこから飛んでくるものかと、不思議に思う。しかし、毎年数は少なくなっている。

 そして、バイクに乗っているとき、コウモリとぶつかる。歩いているときはぶつからないので、きっとコウモリは、バイクのスピードが読めないのだろう。意外と不細工な動物のように思えてしまう。しかし、子供時代、捕まえようとしても、なかなか網に掛からなかった。

 もし捕獲できても、普通の鳥ではないので、気持ちが悪いはずだ。コウモリの顔は、人間と同じような配置なので、なじみがあるだけに怖い。しかも羽根の形が妙で、まさに蝙蝠傘のようだ。

 人間から見ると、この種の不気味な動物が、町中からも消えてしまうと、寂しいような気もする。