川崎フォトエッセイ  その240  輪郭    ←前 →次  HOME

 ものは単独の場合、輪郭がつかみやすい。複数のものが重なり合っていると、全体が輪郭になってしまう。木→林→森といった感じである。

 人も集合体のなかにいるときと、単独でいるときとでは、印象が違ってくる。そのグループの輪郭の一部として認識してしまうと、今度は、単独で現れたとき、認識し直さなければならない。つまり輪郭の書き換えである。その人も、グループ内では、グループの一員としての態度から、一個人の態度に変わるかもしれない。

 その人の輪郭が、浮き彫りにされたとき、貧弱に感じるときと、逆に魅力的に感じるときがある。それは、輪郭によって反応が違ってくるからだ。単独で切り離しても、魅力的な輪郭になっている人は、あらためて見直すことになる。

 また輪郭の形よりも、輪郭線に魅力のある人もいる。