テープは何度か再生して見ても、同じものが繰り返される。ビデオテープも、かなりレンタル回数が多いものでも、実用上問題になるほど劣化しない。すり減ったテープでも、内容が変わってしまうわけではない。
しかし「人生」のやり直しは、テープのようなわけにはいかない。物に対しての機械的なことを、人間に当てはめようとするのはどだい無理である。確かに人は機械的とも受け取れるような動き方をしているが、情緒面がなかなか機械的には動いてくれないのである。
そこは我慢して、機械的に動いたとしても、気持ちの入り方が違うため、細やかなフォロー箇所が見えなかったり、パワーが発揮できなかったりする。
同じことを繰り返すにしても、一度目と二度目とでは、一度目の履歴が残っているし、三度目では、一度目と二度目の履歴が残っている。まあ、普通それは、どこかで整理して、アクセス先を変えるようだが、それでも同じことを繰り返すことはできない。