川崎フォトエッセイ  その264  吹き溜まり    ←前 →次  HOME


 汚したくない場所と、汚されていてもいいかと諦めることができる場所とがある。後者は、最初から汚れているような場所が多い。場所というより、空間や位置関係で決まるようだ。

 うちの近所でも、大型ゴミを出す場所に分譲住宅が建ったが、なかなか売れない。それまでモータープールだったので、その前にゴミが出されていても、誰も文句は言わなかったのだ。しかし、建物を見に来たお客さんは、ゴミ置き場の真横なので、二の足を踏んだようで、早速場所を変えてもらったようだ。

 付近に住人がいない場所や、人目に触れにくい場所は汚されやすい。その場所が、日常の圏外にあればあるほど、最適地となる。

 ゴミを出していい場所は、定期的に収集車が持っていく。そのため、溜まることはない。流れているのだ。ところが、不法投棄の場所は、吹き溜まりのように、溜まる一方だ。