透視図法で書いたような風景に出会うことがある。直線の多い建物とかが並んでいる場所などがそれだ。
しかし、よく見るとそこに線などない。輪郭が線に見えるのだ。見えてしまえば、それは立派な線で、厳密な意味での線のことなど考えなくてもいい。線には直線もあれば曲線もある。あるがこれらは概念だ。日常的にそれが通じれば、多少幅の広い線や、歪みのある線でも、寛容範囲に入ってしまう。
地平線上のある一点に向かって伸びているように見える線は、絵を描くときは非常に楽である。つまり一点透視図で簡単に奥行きのある絵が描ける。トンネル型の廊下などもそうだ。
定規を当てて書いたような透視図法は一カ所でも間違うと非常に不自然になる。逆に、フリーハンドで適当に書いたものは、全体が不正確なので、部分的な間違いも気にならないですむ。