川崎フォトエッセイ  その288  あぶない    ←前 →次  HOME


 どんなに安定し、どんなにしっかりした社会生活を営んでいても、幅10センチの平均台の上を歩いているようなものかもしれない。つまり、いつでも簡単に踏み外してしまう機会はあるということだ。

 景気が悪い時代だと、その台がいつ揺れだして、倒れるか、わかったものではない。また、この前の阪神大震災のように、特に何もしていない状態でも、生活が壊滅するようなことも起こる。

 人はそれなりに煩悩(笑)を抱えて生きているので、様々な雑念を起こし、妄想を抱いている。その妄想が果たせるような誘いがあれば、ついつい行ってしまうこともある。その要素は誰にでもあり、危険な世界というか、踏み入れたら、やばくなる世界と、常に隣接している。

 その種の獣道も、安全だとわかると、日常の中の道となる。ただその獣道の向こう側は闇であり、奥へ進むほど、危険度は増す。