川崎フォトエッセイ  その294  人の流れ    ←前 →次  HOME


 誰も通っていない道をゆくよりも、多数の人が行き交う道のほうが、歩きやすい。

 その通りが、町内に住む人しか通らない道だと、よそ者が入り込むと警戒される。だが、不特定多数の人々が行き交っていると、その流れの中に混ざっても、何ら怪しまれることはない。

 でも、その流れの中でも、怪しい人がいる。通勤通学の流れの中にラフな普段姿の人が入ると、多少の違和感が生じる。これは別に決定的なことではなく、よってたかって弾き出そうというものではない。 「場違いな人」は、その人と場所との組み合わせミスで、そのひとの生き方が間違っているわけではない。ところが、慢性的な「場違い人」もいるようだ。

 この場合、どの場に出ても、どの人の群に入っても、浮いてしまうような人だ。まあ、それは外見ではわからないことで、本人が感じていることなど、流れの中では見えないが……